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2007年11月29日 (木)

ママの還暦祝い(中編)

071005_1720宿泊当日の夕方、
浮かれぽんちのママからメールが入った。
文章ナシの添付ファイルのみ。
旅館のきれいなお庭の写真が送られてきた。
が…かなり はしゃいでいたのか、老眼が進んだのか、
3秒見つめたら 気分が悪くなりそうなレベルのピンボケ。
最近の携帯電話のカメラでここまでピンボケに撮るほうが難しいというくらいひどい。

でもまぁ、よい。今日は文句を言ってやるまい。
今日ぐらいは思う存分パパと2人で美味いもん食って、飲んでくつろいでもらいたいもんだ。
そう思いながら、私もゆるりとした金曜の夜を過ごしていた。
(実はこの日、D様は会社の飲み会でご不在だったのサ♪)
缶ビールを3本あけた頃に電話がかかった。
ははぁん、感激の嵐が落ち着いた頃にお礼の電話というわけだな。

「もしもし?楽しんでる?」 と、私。
「やぁ!! ちぃー!! サイコーでぇ~」

電話の向こうはママではなく、スーパーハイテンションのパパだった。

「ブチ美味い料理がどんどん出てきて、このワシでも食い切れんかと思うくらいよ。
お腹いっぱい、パンパンじゃわい。いやぁー、ちぃにも食べさせてやりたいね」

そんなこと言っているが、パパのことだからペロッと平らげているはずだ。

「それより、ワシが感激したのは…」

おぉ、いきなり来るかぁ?
とりあえず真打登場の前に先発でお礼を言ってくれるんだね。
例のメッセージでパパも一緒に感激して涙が出たんかなぁ?

「お風呂上りは当たり前でのぉ、
廊下やラウンジ、旅館のいたる所に酒やビールが置いてあるんよ。
ワインもあったし、おしるこまであったでぇ。
わし、サイコーにうれしい♪ ええ旅館に泊まらせてくれてありがとう」

…はぁ…パパはそこに感激したんか…
まぁ よい、まぁ よい。幸せそうな声を聞いたらこっちもうれしいよ…(涙)←喜び

「パパ、よかったね。もういいから、ママに代わってくれる?」

やはり今日の主役はママなのだから、本人さんの感想を聞かなくっちゃ。
ママならすぐにメッセージカードに気付いて感激したことを言ってくれるはずだ。

「もしもし、ちぃちゃん?
今日はホントにありがとうございます。予想以上にステキな旅館よ」

うん、うん、それでそれで?

「今日は満室のはずなのに宿の中を歩いてても誰にも会わんのよ。
お風呂でも誰とも一緒にならんしね。ほんま、心も体もゆっくりさせてもらっとるよ」

ふーん、それは良かったね。どうぞゆっくりしてください。
そりゃぁええけん、はよう 例のメッセージのことを言えよぉ…

「あ、そうそう。感激したことがひとつあるんよ」

よしっ!! きたっ!!
ここでやっと暖かい親子の思い出ができる!!

「お風呂上りにね、お部屋でゆっくりしてたら 仲居さんが来てね、
『こちらをどうぞ』ってシャンパンを持ってきてくれたのよ♪」

え?? シャンパン??

「よく冷えてて 美味しかったわぁ」

5秒くらい言葉が出なかった。
もしかして、この人たち私の愛のメッセージを見てないのか?
それとも生まれて初めて泊まった高級旅館に有頂天になりすぎて私のメッセージカードのサプライズなんてすぐにヤツらの手厚いサービスに上書きされたというのか?

娘からの愛のメッセージより、金で手に入る極上サービスの方がいいというのか!!
くっそぉー。小市民め…(涙)←悲しみ
この悲しみを何かに例えて言うとしたら、崖から突き落とされたライオンの子のようとでも言っておこうか。(ちょっと違うかな…)

しかし、私は人間の子。しかも3★歳。
30年以上も人間をやってると厚かましくて、恩着せがましくもなってくる。
向こうから言ってこないのなら、こっちから聞いてやるサ。

「ねぇ、ねぇ、メッセージカードとか 置いてなかった?」

素直に聞けばいいのに ちょっとひねくれた言いかたになってしまった。
するとママ、

「あったよ、仲居さんがシャンパンと一緒に持ってきてくれたよ。
ありがとう、お手紙 とても嬉しかったわ」

なんだよ、見てんじゃん。
…え?シャンパンと一緒に??

(つづく)

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